スピーチであがってしまうのは、脳のお節介だった?!

あがり症で悩まれている方がたくさんいると思います。
恐怖症の類には様々なものがありますが、特にあがり症は日本人に多く見られる症状になります。私も様々な悩みを持っていましたが自分にとってあがり症はやはり大きな壁でした。
人前に出ると緊張してしまい、なかなかコミュニケーションが取れず孤立していました。

あがり症を克服しようとネットやハウツー本など読み漁っていましたが、

よくあがり症を治す方法などを検索してみると出てくる内容には、人をジャガイモだと思ってスピーチするべしとか、喋り方がどうだとか抑揚をつけようだとか、もっと積極的にコミュニケーションを取ろうとか、こんなアドバイスを聞いて実際にあがらなくなる人がいるでしょうか?(あくまで私の個人的意見です)

 


ありがたいけど、なんか痒いとこに手が届かないというか・・できない人にはそもそも飛び込む勇気がないんです。


元々できる人の目線でのアドバイスはどこかピンボケしてしまってます。
ここではできない人の目線にフォーカスして話をしていきたいと思います。

あがる原因

 実際練習するなら人がたくさんいる公園でスピーチ練習していたら治るとおもうんですが、そもそも現実的ではないですよね。ショップ店員さんがタイムセールの時に声出しみたいなのも、仕事ならできるかも知れませんけどね、一般的には難しいですよね。


なぜあがり症の人があがってしまうのか、自宅でスピーチ練習していてもほとんどの場合本番であがってしまいます。
それは快適な空間(コンフォートゾーン)を抜け出していないから、逆を言えばスピーチする空間はコンフォートゾーンを大きくはみ出ているからです。


快適な環境だとストレスが無いのでリラックスしている状態と言えます。
つまりスピーチする空間があなたのコンフォートゾーン内に入っているのでしたらきっと平常心でいつも通りスピーチできることでしょう。

しかしあまり経験のないことはゾーンの外側にあることが必至ですし、取り込まなければいつまでも上手くなることはありません。

大勢が注目している中で前に出ると、心臓がバクバクになり、顔は引きつって青くなり、のどが詰まって息苦しくなり、焦っているなぁと認識し出すと顔が紅潮し、声が上づり、最悪足が震え出すからです。

人間だって、動物です。
例えば猫が敵と対峙した時、危険だと判断すると、逃げるか毛が逆立って尻尾も太くなって相手を威嚇しますよね。脳的にはすごく危険な状況だと感じているからです。

スピーチの時のあなたがそれです、その猫とほとんど変わらない状態だと思ってください。緊張状態、もっとリラックスしていれば成功しているはずの状態とは真逆にいます。

あなたの緊張したく無いと考えていますが、あなたの潜在意識はその考えとはまったく別で《敵地に侵入した》と勝手にぐるぐる動き回り身体中に伝達して周り、交感神経に指令をだして痛覚を麻痺させたり、筋肉を素早く動かせる様に戦闘態勢にしてくれます。そう、完全に脳のお節介です。

そのせいで筋肉はこわばり、顔は引きつり、軽く震えたりします。

野生の暮らしではないので物や人、食べ物を奪いあって生きていません。
現代の生活でさほど戦う事はあまりありませんしね、ヤフーニュースのコメント欄にちょっとした事を書き込むくらいなものです。無いかー。

脳内の反応と体の反応

神経伝達物質ノルアドレナリンやアドレナリンは強いストレスや痛みが原因で分泌されます、ノルアドレナリンは精神的なストレスで分泌され、集中力を高めたり、意識がクリアになり覚醒した状態、気分が高揚しストレスに強くなります。また怒りとともに不安が出てきます。アドレナリンは先に猫の例で挙げた様に肉体への直接的な作用があります。


それらは精神的なストレス、肉体的なストレスによって出る量が変わります。例えば車にはねられた時はアドレナリンが多く分泌されます、また言葉の暴力などは精神的なストレスとなりノルアドレナリンが多くなるのです。


スピーチは精神的なストレスなはずなので、ノルアドレナリンが出ると思うのですが、『未知の体験』の場合はでアドレナリンの方が大量に分泌されます。これによりあがってしまう状態になるので、まさにこれが元凶だという事がお判りいただけます。


その代わり経験してしまうと、未知の経験ではなくなるので経験を積むほどノルアドレナリンが優位となり集中力と落ち着きが出てきます。つまり場数を踏む事が一番です。
ストレスがかかると心のバランスを取るためにセロトニンを分泌します、俗に幸福ホルモンと呼ばれています。リラックスした状態の時はセロトニンが多い状態です。

訓練するとすれば

スピーチ中の光景を想像してください、とにかくお客さんがたくさんいるのを想像してください。緊張するくらいはっきりとイメージできる事が大切です。臨場感があればあるほど効果が上がります。何度も何度もその光景を想像してください。できてきたらその人数を増やしてください。何千人もの人が自分のスピーチに耳を傾けていると想像してください。これだけでも結構効果があります。

人見知りの人は消極的で経験不足な人が多いので、もう少し積極的にならなければいけません。
自発的に挨拶したり、買い物した時には感じ良くありがとうと言ってみてください。
普段から自発的に、感じ良くする事に心掛けていると心がどんどんポジティブに変わっていきます。たったこれだけの事でも経験値を少しづつ稼げます。

経験+コンフォートゾーンの概念を取り入れるとあなたなりの答えが見えるかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか、人はさまざまな経験や場数を踏むことで環境に慣れる。
慣れてくるとアドレナリンの放出量が減り身体の緊張の症状が治る。
緊張状態さえ解ければ冷静に判断できる様になり、スムーズにスピーチに集中できる様になります。
心をポジティブにしさらにコンフォートゾーンを意識して広げればもっとリラックスして臨むことができあがり症も解消されるようになります。